この記事は、法律の専門家ではない個人が作成しています。
記事の内容は充分調査をした上で執筆しているつもりですが、万が一内容に誤りがありましたらお問い合わせから教えていただきますと幸いです。
以前、読書ノートの記事で「書いたらインスタにアップしていく」と宣言したものの、まだ全然投稿できていないまめのです。
というのも、サボっているつもりは(一応)なく、
実は、投稿する前にInstagramの読書アカウントをいろいろと調査していたんですよね。
その過程で疑問が浮かび、「これが解決するまでは投稿しないでおこう」と思っていたんです。
その疑問とは…(目次の下へ続く)
本の表紙画像(書影)をInstagramに掲載するのって、
著作権的にOKなの??
先に結論を言うと、法的にはダメ。だけど訴えられるようなことは今までもないしおそらくこれからもよっぽどない。
ただ私個人としては、少なくともInstagramでは本の表紙画像の投稿はやめようかなという判断に至りました。
その理由をこれからまとめていきます。
なお、今回の調査はInstagramに焦点を当てています。
ブログやX(旧Twitter)だと状況が少し変わる可能性もありますが、基本的な考え方は同じだと思うので、気になる方はぜひ読んでみてくださいませ。
なんなら参考にあるpdfとか見てくれたらそれだけで解決するかも(笑)
書影をInstagramに掲載するのは「公衆送信権の侵害」
公衆送信権とは
公衆送信権とは、ざっくり言うとネットに著作物を公開する権利のこと。
著者や出版社が公衆送信権を持っているため、勝手に表紙をSNSに載せると、その権利を侵害する可能性が出てきます。
参考:Wikipedia
どのように侵害しているのか
撮影した本の表紙の写真をInstagramに投稿した場合、それがインターネットを通じて不特定多数の人に公開されます。
この行為が「公衆に向けた送信」に該当し、公衆送信権の侵害にあたる可能性があります。
「引用」の要件を満たす場合は問題ないが…
表現の自由と著作権保護のバランスを保つための制度に「引用」があります。
引用とは、他人の著作物の一部を、自分の表現や主張を補強するために、適切な形で取り入れることです。
でも、この「引用」、Instagramでどう成立するかがちょっと疑問。
引用の要件とは
日本の著作権法では、「引用」として認められるためには、次の要件を満たす必要があります。
- 主従関係が明確で、引用が補足的であること
- 引用される著作物とそれ以外の部分が明確に別れていること(明瞭区別性)
- 出典が明記されていること
- 改変せずに使われること
ブログであれば、表紙の画像だけがコンテンツになることはあまりないと思うので、「引用の要件を満たすもの」と判断されることはもちろんあると思います。
しかし、Instagramはどうでしょうか。
引用の要件とInstagramについて
主従関係が明確で、引用が補足的であること
引用は、あくまで自分の主張を補強するために使われるべきもので、引用元が「補足的」でなければなりません。
Instagramでは写真が中心のため、どうしても画像が投稿のメインと受け取られがちです。
たとえ長いキャプションを添えたとしても、視覚的な要素が目立つ投稿では、画像が「主」、テキストが「従」と見なされることもあるのではないでしょうか。
明瞭区別性
キャプションと画像が別々に表示されるため、一目で「どこからどこまでが引用か」を示すのが難しい気がします。
これにより引用とオリジナルの境界が不明確になり、法律が求める「明確な分離」の要件を満たすとは言いにくいのでは…と考えます。
出典の明示
Instagramのキャプションやタグ欄に出典を記載しても、それが「著作権法上の適切な表示」として認められるかは不明です。
特に、フォーマットが崩れたり、キャプションが見落とされる場合、十分な明示とは見なされない可能性もあるのではないでしょうか。
Instagramでの引用が認められた事例はない
日本国内では、Instagramでの画像使用が「正当な引用」として認められた判例やガイドラインは見当たりません。
かといって、逆に「ダメです」と明確に判例があるわけでもないんですよね。
なので、「著作者がOKといえばOK」「著作者がNGといえばNG」、何も言わなかったらグレーみたいな状態なのかなと思います。
これならOK!
著作者や出版社の許可を取る
確実性を考えるなら、著作者や出版社から直接許可を得るのがベストですよね。
出版社ごとに対応が異なり、webサイト上に記載してくれている出版社もあります。
私が調べた範囲で表にまとめてみましたので、そちらも参考にしてください。
表が○であっても、それぞれのルールがあったりどこまでならOKみたいなものがあるので、きちんとurlで確認して不明な点は出版社に問い合わせることをお勧めします。
本のタイトルをテキストで
画像を使わず、本のタイトルをテキストで伝える方法も安全です。
これなら、著作権に触れる心配はありません。
版元ドットコムに掲載されている画像
「版元ドットコム」に掲載されている画像は、著作権に配慮した形で自由に利用可能です。
※ただし、トリミングや改変は禁止されているため、そのままの形で使いましょう。
出版社ごとの掲載について一覧
わたしが調べてみた、出版社ごとの掲載ルールについての参考URLを掲載しておきます。
基本的にダメとかいてあるものは×にしています。
表が○であっても、それぞれのルールがあったりどこまでならOKみたいなものがあるので、きちんとurlで確認して不明な点は出版社に問い合わせることをお勧めします。
○=Instagram掲載OKというわけではありません。
それぞれの参考URLを確認して、Instagramの投稿がその要件を満たせるようであればOKくらいで考えてください。
クリックで一覧表を表示
ということで、私は書影は使いません!
以上、書影を無断でInstagramに掲載するのは著作権的にアウトではないか、ということをつらつら述べていきました。
正直心配しすぎな気もするのですが…
でも私は心穏やかな日々を過ごしたいという目標を掲げて生きているので、少しでも心配の種は減らしておきたいということで、書影は使いません。
今後、インスタでもOK!と胸を張って言えるようになったらその時は書影を載せるかもですが…
じゃあどうするか、こうします。
続きは私のInstagramへ!
ではでは。まめのでした。
参考
全て別タブで開きます。
国公私立大学図書館協力委員会 大学図書館著作権検討委員会様 公開資料(pdf)
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